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雇用保険とは?FPがわかりやすく解説

最終更新日: 2026-08-29

雇用保険とは

 
雇用保険は、労働者の生活や雇用の安定を図るとともに、再就職を促進することを目的とした公的保険制度です。失業した場合の生活支援をはじめ、教育訓練の受講や育児・介護による休業など、さまざまな場面で給付を受けることができます。
雇用保険の保険者は国であり、各種手続きは公共職業安定所(ハローワーク)が窓口となります。
 
なお、雇用保険と労働者災害補償保険(労災保険)は、あわせて「労働保険」と総称されます。保険給付はそれぞれの制度に基づいて行われますが、保険料の申告・納付は一体的に取り扱われています。
また、原則として労働者を1人でも雇用している事業主には、労働保険への加入と保険料の納付義務があります。
 
また、雇用保険では、失業の予防や雇用の安定、労働者の能力開発などを目的として、次の事業を実施しています。

  • 雇用安定事業:失業の予防、雇用機会の確保、雇用環境の改善など
  • 能力開発事業:労働者の職業能力の開発・向上など

雇用保険の加入対象者

 
次の2つの要件をいずれも満たす労働者は、事業所の規模にかかわらず、原則として雇用保険の被保険者となります。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上引き続き雇用される見込みがあること

 
たとえば、週25時間勤務のパート・アルバイトで、31日以上の雇用が見込まれる場合は、原則として雇用保険に加入します。なお、週の所定労働時間が20時間未満の場合は、原則として加入対象外です。


雇用保険料の労使の負担割合と計算方法

 
雇用保険料は、事業主と労働者がそれぞれ定められた割合で負担します。保険料率は事業の種類によって異なり、毎年度、国によって定められています。
雇用保険料は、労働者に支払われる賃金総額に所定の保険料率を乗じて計算します。ここでいう「賃金総額」とは、基本給のほか、各種手当や賞与などを含めた支給額の総額をいいます。
 

労働者負担分 = 賃金総額 × 労働者負担保険料率
事業主負担分 = 賃金総額 × 事業主負担保険料率
雇用保険料 = 労働者負担分 + 事業主負担分


雇用保険の給付一覧

 
雇用保険には、失業した場合の生活支援や再就職支援のほか、職業能力の向上や育児との両立支援を目的としたさまざまな給付があります。
主な給付は、次のとおりです。
 

失業等給付

 

 

育児休業給付

 

  • 育児休業給付金:子を養育するために育児休業を取得した被保険者に対して支給される給付
  • 出生時育児休業給付金:子の出生直後に取得する出生時育児休業(産後パパ育休)に対して支給される給付
  • 出生後休業支援給付金:子の出生後の一定期間に、両親ともに一定期間以上の育児休業を取得した場合などに支給される給付
  • 育児時短就業給付金:2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業し、賃金が低下した場合に支給される給付

求職者給付とは

 
求職者給付は、失業した人の生活の安定を図るとともに、早期の再就職を支援するために支給される給付です。
求職者給付には、被保険者の区分に応じて次のような種類があります。
 

対象

給付の名称

概要

一般被保険者

基本手当

定年退職、倒産、解雇、自己都合退職などにより離職した場合に支給される給付

技能習得手当

公共職業訓練などを受講する場合に支給される給付

寄宿手当 公共職業訓練などを受講するために寄宿する場合に支給される給付
傷病手当 求職の申込み後に病気やけがにより就職できない状態となった場合に支給される給付
高年齢被保険者 高年齢求職者給付金 65歳以上の被保険者が離職した場合に支給される一時金
短期雇用特例被保険者 特例一時金 季節的に雇用される労働者などが失業した場合に支給される一時金
日雇労働被保険者 日雇労働求職者給付金 日雇労働被保険者が失業した場合に支給される給付

 

基本手当の主な受給要件

 
基本手当(いわゆる失業保険)を受給するためには、次のすべての要件を満たす必要があります。

  • 65歳未満であること
  • 離職日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あること(特定受給資格者および特定理由離職者は、離職日以前1年間に通算6か月以上)
  • ハローワークに求職の申込みを行い、就職する意思と能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない「失業の状態」にあること

 

基本手当を受給できない主なケース

 
次のような状態にある場合は、原則として基本手当を受給することはできません。

  • 病気やけがのため、すぐに就職することができない場合
  • 妊娠・出産・育児のため、すぐに就職することができない場合
  • 定年退職後、しばらく休養しようと考えている場合
  • 結婚などを機に家事に専念するため、すぐに就職する意思がない場合

 

待機期間と給付制限期間

 
基本手当には、受給資格の決定を受けた日から7日間の待機期間があります。待機期間中は、基本手当は支給されません。
また、自己都合により離職した場合には、待機期間終了後に原則として1か月間の給付制限期間が設けられます。給付制限期間中は基本手当を受給することができません。
ただし、離職日以前5年間に自己都合退職により基本手当を2回以上受給している場合は、3回目以降の自己都合退職について、給付制限期間が3か月となります。
また、自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合(重責解雇)は、過去の受給回数にかかわらず、給付制限期間は3か月となります。
 

支給額と計算式

 
基本手当の1日当たりの支給額(基本手当日額)は、賃金日額に一定の給付率を乗じて算出されます。
 

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(45%〜80%)※
賃金日額 = 原則として離職前6か月間の賃金総額 ÷ 180
※ 給付率は、離職時の年齢や賃金日額によって異なります。

 

基本手当の所定給付日数一覧

 
基本手当を受給できる日数の上限を「所定給付日数」といいます。所定給付日数は、被保険者期間(算定基礎期間)、離職時の年齢、離職理由(自己都合退職や会社都合退職など)によって異なります。
 

一般の離職者※1の場合

 

年齢

被保険者期間

1年未満

1年以上10年未満

10年以上20年未満

20年以上

全年齢

90日(※2)

90日

120日

150日

※1:一般の離職者とは、自己都合退職や定年退職など、本人の意思または定年により離職した人をいいます。
※2:被保険者期間が6か月以上の特定理由離職者が該当します。

 

特定受給資格者※3・一部の特定理由離職者※4の場合

 

年齢

 被保険者期間

1年未満

1年以上5年未満

5年以上10年未満

10年以上20年未満

20年以上

30歳未満

90日

90日

120日

180日

−

30歳以上35歳未満

120日

180日 210日 240日

35歳以上45歳未満

150日

180日 240日 270日

45歳以上60歳未満

180日

240日 270日 330日

60歳以上65歳未満

150日

180日 210日 240日

※3:特定受給資格者とは、倒産や解雇など、事業主の都合により離職した人をいいます。
※4:特定理由離職者とは、契約更新を希望したにもかかわらず契約期間満了により離職した人や、やむを得ない理由による自己都合退職(家族の介護、配偶者の転勤、ハラスメントなど)をした人をいいます。

 

就職困難者の場合

 

年齢

被保険者期間

1年未満

1年以上5年未満

5年以上10年未満

10年以上20年未満

20年以上

45歳未満

150日

300日

45歳以上65歳未満

360日

 

基本手当の受給期間

 
基本手当の受給期間とは、所定給付日数の範囲内で基本手当を受給できる期間のことをいい、原則として離職日の翌日から1年間です。
「受給期間」と「所定給付日数」は異なるものです。たとえば、所定給付日数が120日の人でも、120日間連続して給付を受けられるわけではなく、離職日の翌日から原則1年以内に120日分を受給することになります。
 
ただし、所定給付日数が長い場合は、受給期間も次のとおり延長されます。

  • 所定給付日数が330日の場合:1年 + 30日
  • 所定給付日数が360日の場合:1年 + 60日

 
また、病気やけが、妊娠・出産・育児、親族の看護などの理由により、30日以上引き続き就職することができない場合は、申請により受給期間を延長することができます。
受給期間の延長は最大3年間まで認められますが、所定給付日数が330日または360日の場合は、延長できる期間が次のとおり調整されます。

  • 所定給付日数が330日の場合:最大3年 − 30日
  • 所定給付日数が360日の場合:最大3年 − 60日

雇用継続給付とは

 
雇用継続給付は、高齢者の就業継続や家族の介護を理由とした離職の防止を目的として支給される給付です。
主な給付には、「高年齢雇用継続給付」と「介護休業給付」の2種類があります。
 

高年齢雇用継続給付

 
高年齢雇用継続給付とは、60歳以降も働き続ける人の賃金が一定割合以上低下した場合に、その収入減少を補うために支給される給付です。高年齢雇用継続給付には、次の2種類があります。

  • 高年齢雇用継続基本給付金
    基本手当(いわゆる失業保険)を受給せず、60歳以降も継続して雇用されている人に支給されます。
  • 高年齢再就職給付金
    基本手当を受給した後に再就職した人に支給されます。

 

高年齢雇用継続基本給付金の受給要件

 

  • 60歳以上65歳未満であること
  • 雇用保険の被保険者期間(算定基礎期間)が5年以上あること
  • 基本手当を受給せずに継続雇用されていること
  • 60歳到達時の賃金と比べて、60歳以後の賃金が75%未満となっていること

 

高年齢再就職給付金の受給要件

 

  • 60歳以上65歳未満であること
  • 雇用保険の被保険者期間(算定基礎期間)が5年以上あること
  • 再就職した日の前日における基本手当の支給残日数が100日以上あること
  • 1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる安定した職業に就いたこと
  • 同一の就職について、再就職手当の支給を受けていないこと
  • 再就職後の賃金が、離職前の賃金水準と比較して75%未満となっていること

 
支給額は、60歳到達時と比較した賃金の低下率に応じて決定されます。賃金の低下幅が大きいほど支給率が高くなります。
なお、2025(令和7)年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率が見直されました。このため、60歳到達日が2025(令和7)年4月1日前か以後かによって、適用される支給率が異なります。
 

介護休業給付

 
介護休業給付とは、家族を介護するために介護休業を取得した被保険者に対して支給される給付で、仕事と介護の両立および雇用の継続を支援することを目的としています。
 

介護休業給付の受給要件

 

  • 対象家族の介護を目的とした休業であること
    ※対象家族は、配偶者、父母、子、配偶者の父母のほか、同居かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹および孫です。
  • 介護休業開始前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること
  • 介護休業期間中の1か月ごとに、休業開始前の1か月あたりの賃金の80%以上が支払われていないこと
  • 介護休業期間中の各支給単位期間(通常は1か月)における就業日数が10日以下であること
  • 有期契約労働者の場合、介護休業開始予定日から93日を経過した日から6か月を経過する日までの間に、労働契約が満了し、その更新がないことが明らかでないこと

 

介護休業給付金の支給額の計算式

 

支給額 = 介護休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

 
介護休業給付の対象となる介護休業は、要介護状態にある対象家族1人につき通算93日まで取得することができ、3回まで分割して取得することができます。介護休業給付は、その期間中の収入減少を補うために支給されます。


就職促進給付とは

 
就職促進給付は、失業者の早期再就職を促進するために支給される給付です。
主な給付には、次のような種類があります。
 

給付の名称

概要

就業促進手当

再就職手当

基本手当の受給資格がある人が早期に再就職し、一定の要件を満たした場合に支給されます。支給を受けるためには、就職日の前日時点で基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることなど、一定の要件を満たす必要があります。

就業促進定着手当

再就職手当の支給を受けた人が、再就職先に6か月以上継続して雇用され、かつ再就職先での賃金が離職前の賃金を下回る場合に支給されます。

常用就職支度手当

高齢者や障害のある人など、就職が困難な人が安定した職業に就いた場合に支給されます。

移転費

ハローワークの紹介により就職した場合や、公共職業訓練などを受講するために住所または居所を変更するときに支給されます。

広域求職活動費

ハローワークの紹介により、遠方の事業所への就職を目指して広域的な求職活動を行う場合に支給されます。


教育訓練給付制度とは

 
教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した場合に、受講費用の一部が教育訓練給付金として支給される制度です。
給付金の対象となる教育訓練は、そのレベルや目的に応じて、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があります。

  • 専門実践教育訓練
    特に労働者の中長期的なキャリア形成を目的とした専門的な教育訓練
  • 特定一般教育訓練
    特に労働者の速やかな再就職および早期のキャリア形成を目的とした教育訓練
  • 一般教育訓練
    雇用の安定や再就職の促進を目的とした教育訓練

 

各教育訓練給付金の主な受給要件と給付内容

 

給付の種類 

受給要件と給付内容

専門実践教育訓練給付金

・教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給されます。
・資格取得等をし、かつ訓練終了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、教育訓練費の70%(既に支給を受けた50%の給付の年間合計額と教育訓練経費の70%に相当する額(年間上限56万円)の差額)が支給されます。
・上記の支給要件を満たしたうえで、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合は、教育訓練経費の80%(既に支給を受けた50%と70%の給付の年間合計額と教育訓練経費の80%に相当する額(年間上限64万円)の差額)が支給されます。

特定一般教育訓練給付金

・教育訓練経費の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給されます。
・上記に加え、資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、教育訓練経費の50%(既に支給を受けた上記の給付額と教育訓練経費の50%に相当する額(上限25万円)の差額)が支給されます。

一般教育訓練給付金

教育訓練経費の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。

出生時育児休業給付とは

 
出生時育児休業給付とは、子の出生直後の一定期間内に出生時育児休業(産後パパ育休)を取得した雇用保険の被保険者に対して支給される給付です。子の出生後の育児参加を促進し、仕事と育児の両立を支援することを目的としています。
 

出生時育児休業給付の主な受給要件

 

  • 子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて取得する出生時育児休業(産後パパ育休)であること
  • 出生時育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上または賃金支払基礎時間数が80時間以上である月が通算12か月以上あること
  • 各支給単位期間(通常は1か月)における就業日数が10日以下(10日を超える場合は、就業時間が80時間以下)であること
  • 有期契約労働者の場合、子の出生日から8週間を経過する日の翌日から起算して6か月を経過する日までに、労働契約の期間が満了し、その更新がないことが明らかでないこと

 

支給額の計算式

 

賃金日額 = 出生時育児休業開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180
支給額 (1か月当たり) = 賃金日額 × 支給日数 (上限28日) × 67%


育児休業給付とは

 
育児休業給付とは、1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した雇用保険の被保険者に対して支給される給付です。労働者の円滑な育児休業の取得を支援し、仕事と育児の両立を図ることを目的としています。
 

育児休業給付の主な受給要件

 

  • 1歳未満の子を養育するための育児休業であること
    パパ・ママ育休プラス制度を利用する場合:1歳2か月まで
    保育所に入所できないなどの特別な事情がある場合:最大2歳未満まで延長可能
  • 育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上または賃金支払基礎時間数が80時間以上である月が通算12か月以上あること
  • 育児休業期間中の1か月ごとに、休業開始前の1か月あたりの賃金の80%以上が支払われていないこと
  • 各支給単位期間(通常は1か月)における就業日数が10日以下(10日を超える場合は、就業時間が80時間以下)であること
  • 有期契約労働者の場合、同一事業主に引き続き1年以上雇用されており、かつ子が1歳6か月に達する日までの間に労働契約が満了し、その更新がないことが明らかでないこと

 

支給額の計算式

 

賃金日額 = 育児休業開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180
支給額 (1か月当たり) = 賃金日額 × 支給日数 (最大30日) × 支給率※ 
※ 支給率は、育児休業開始日から起算して180日目までは67%、181日目以降は50%となります。

 
育児休業給付の支給率は、次のように覚えましょう!

FP検定暗記術_育児休業給付の支給率

出生後休業支援給付金とは

 
出生後休業支援給付金とは、子どもの出生直後の一定期間内に育児休業を取得した被保険者に対し、共働き・共育てを推進することを目的として支給される給付です。2025年4月に創設されました。
 

出生後休業支援給付金の主な受給要件

 

  • 対象期間内に、同一の子について、出生時育児休業給付金の対象となる出生時育児休業(産後パパ育休)または育児休業給付金の対象となる育児休業を通算14日以上取得していること
  • 原則として、配偶者も対象期間内に通算14日以上の育児休業を取得していること
    ただし、ひとり親家庭である場合や、配偶者が自営業者・無業者である場合など、一定の要件に該当するときは、配偶者の育児休業取得は要件とされません。
  • 出生時育児休業給付金または育児休業給付金の支給対象となる育児休業であること

 

支給額の計算式

 

賃金日額 = 同一の子に係る最初の出生時育児休業または育児休業の開始前6か月間の賃金総額 ÷ 180
支給額 (1か月当たり) = 賃金日額 × 支給日数 (上限28日) × 13%

 
出生時育児休業給付金または育児休業給付金とあわせた給付率は80%となります。
育児休業等給付は非課税であり、育児休業中は社会保険料の免除制度もあるため、手取りベースでは休業前と同程度の水準となる場合があります。


育児時短就業給付金とは

 
育児時短就業給付金とは、2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した被保険者に対し、時短勤務による賃金の低下を補うために支給される給付です。2025年4月に創設されました。
 

育児時短就業給付金の主な受給要件

 

  • 2歳未満の子を養育するために、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業していること
  • 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて育児時短就業を開始したこと、または育児時短就業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上または賃金支払基礎時間数が80時間以上である月が通算12か月以上あること
  • 月の初日から末日まで継続して雇用保険の被保険者であること
  • 支給対象月に、1週間当たりの所定労働時間を短縮して就業した期間があること
  • 支給対象月に、育児休業給付または介護休業給付を受給していないこと
  • 高年齢雇用継続給付の受給対象となっていないこと

 

支給額の計算式

 

支給額 (1か月当たり) = 育児時短就業中の各月に支払われた賃金額 × 10%
※ 支給額と賃金額の合計が、育児時短就業開始時の賃金額を超えないよう支給率が調整されます。


雇用保険二事業とは

 
雇用保険二事業には、次の2つの事業があります。
 

雇用安定事業

 
雇用安定事業は、失業の予防、雇用機会の増大および雇用の安定を目的として、事業主および求職者に対する支援を行うものです。

  • 事業主に対する支援
    • 若年者や中高年齢者の試行雇用を促進(例:トライアル雇用助成金)
    • 高齢者や障害者を雇用する事業主への支援(例:特定求職者雇用開発助成金)
    • 創業や雇用拡大を行う事業主への支援(例:地域雇用開発助成金)
    • 失業予防に取り組む事業主への支援(例:雇用調整助成金)
    • 仕事と子育て・介護の両立支援に取り組む事業主への助成(例:両立支援等助成金)
  • 求職者に対する支援
    • 中高年齢者など再就職の緊急性が高い求職者への支援
    • 若者や子育て中の女性への支援(例:ジョブカフェ、マザーズハローワークでの職業相談・職業紹介)

 

能力開発事業

 
能力開発事業は、労働者の職業能力の開発および向上を目的として行われます。

  • 在職者および離職者に対する職業訓練
    • 日本版デュアルシステムの実施
    • 公共職業能力開発施設の設置・運営
    • 専修学校などの民間教育訓練機関を活用した職業訓練の推進
  • 事業主が行う教育訓練への支援(例:人材開発支援助成金)
  • 職業能力評価制度の整備
  • ジョブ・カード制度の活用

FP試験での出題ポイント

 
FP試験では、次のポイントを重点的に押さえておくと得点源になります。
 
① 雇用保険の加入要件

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上引き続き雇用される見込みがある

 
② 基本手当(失業保険)の受給要件

  • 失業状態であること
  • 求職の申込みをしていること
  • 原則として離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あること

 
③ 自己都合退職の給付制限

  • 待機期間は7日
  • 自己都合退職は原則1か月の給付制限
  • 繰り返し自己都合退職している場合は3か月

 
④ 基本手当日額の計算

  • 賃金日額=離職前6か月間の賃金総額÷180
  • 基本手当日額=賃金日額×給付率

 
⑤ 所定給付日数

  • 年齢、被保険者期間、離職理由によって異なる

 
⑥ 受給期間

  • 原則として離職日の翌日から1年間
  • 受給期間と所定給付日数は別概念

 
⑦ 教育訓練給付制度

  • 専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類の違いを確認

 
⑧ 高年齢雇用継続給付

  • 60歳以上65歳未満
  • 被保険者期間5年以上
  • 賃金が60歳到達時の75%未満に低下

 
⑨ 介護休業給付

  • 休業開始前2年間に被保険者期間12か月以上
  • 支給率67%
  • 対象家族1人につき通算93日まで
  • 3回まで分割可能

 
⑩ 出生時育児休業給付

  • 子の出生後8週間以内
  • 最大28日
  • 支給率67%

 
⑪ 育児休業給付

  • 原則1歳未満の子が対象
  • 180日目までは67%
  • 181日目以降は50%
  • パパ・ママ育休プラスで1歳2か月まで

 
⑫ 出生後休業支援給付金(2025年新設)

  • 原則として両親とも14日以上の育児休業取得
  • 給付率13%
  • 育児休業給付と合わせて80%

 
⑬ 育児時短就業給付金(2025年新設)

  • 2歳未満の子が対象
  • 時短勤務による賃金低下を補填
  • 支給額は賃金額の10%相当