法人税について
法人税とは、法人が事業によって得た所得に対して課される国税のことです。
主な法人の種類は以下のとおりです。
- 株式会社
- 有限会社(現行の会社法では新たに設立できません)
- 合同会社
- 合名会社
- 合資会社
- 一般社団法人
- 一般財団法人
- 公益社団法人
- 公益財団法人
- NPO法人
会計上と税法上の利益の違いについて
会計上の利益は、以下の式で算出されます。
会計上の利益 = 収益 − 費用
ただし、法人税はこの会計上の利益に直接課税されるわけではありません。法人税法では、会社の所得金額(税法上の利益)に対して課税します。
税法上の利益は、以下の式で算出されます。
税法上の利益 = 益金 − 損金
ここで、収益・費用と益金・損金は範囲が異なるため、会計上の利益と税法上の利益は一致しません。そのため、会計上の利益を基準に調整を行い、税法上の利益(所得金額)を算出します。この調整を税務調整といいます。
税務調整の種類
| 税務調整の種類 |
会計上は |
税法上は |
| 益金算入 |
収益ではない |
益金である |
| 損金不算入 |
費用である |
損金ではない |
| 益金不算入 |
収益である |
益金ではない |
| 損金算入 |
費用ではない |
損金である |
税務調整による所得金額は、以下の式で算出されます。
所得金額 = 会計上の利益 + ( 益金算入 + 損金不算入 ) − ( 益金不算入 + 損金算入 )
益金について
法人税における主な益金の取扱いは以下のとおりです。
受贈益
法人が他者から金銭や資産の贈与を受けたり、経済的利益の供与を受けた場合、その時価相当額は受贈益として益金に算入されます。
資産の評価益
法人が保有する資産を評価換えし帳簿価額を増額した場合、その増額分は原則として益金不算入となります(会社更生法による評価換えなどの例外を除く)。
なお、売買目的有価証券や一定のデリバティブ取引に関する評価損益は、別途規定により益金・損金算入が認められます。
債務免除益
法人が業績不振などにより債権者から債務免除を受けた場合、その免除額は債務免除益として益金に算入されます。
受取配当等
受取配当等については、二重課税を排除するため、一定額が益金不算入となります。
内国法人から受ける配当等
| 区分 |
株式保有割合 |
負債利子控除 |
益金不算入額 |
| 完全子法人株式等 |
100% |
無 |
受取配当等の全額 |
| 関連法人株式等 |
33%超 |
有 |
受取配当等の全額 − 負債利子 |
| その他の株式等 |
5%超33%以下 |
無 |
受取配当等の50% |
| 非支配目的株式等 |
5%以下 |
無 |
受取配当等の20% |
外国子会社から受ける配当等
内国法人が外国子会社(株式保有割合25%以上)から受ける配当等は、原則として益金不算入(受取配当等の95%)となります。ただし、国際的二重非課税の解消措置により、外国子会社の所得計算上損金算入される配当は益金不算入の対象外です。なお、益金不算入の適用を受ける場合、外国源泉税等は損金不算入となり、外国税額控除も原則適用されません(一定の例外あり)。
※外国子会社の株式保有割合(25%)は、租税条約により緩和される場合があります(例:米国10%)。
損金について
法人税における主な損金の取扱いは以下のとおりです。
棚卸資産の評価方法等
棚卸資産の評価方法には、以下の3つがあります。
原価法
原価法とは、取得価額を基準に期末評価額を算定する方法です。以下のいずれかの方法で取得価額を算出します。
- 個別法
- 先入先出法
- 総平均法
- 移動平均法
- 最終仕入原価法
- 売価還元法
低価法
低価法とは、「原価法による評価額」または「期末時の時価」のいずれか低い方を期末評価額とする方法です。
税務署長の承認を受けた特別の評価方法
特別な評価方法を採用する場合は、税務署長に届け出の上、承認を得る必要があります。届出がない場合、または届出方法と異なる評価を行った場合は、最終仕入原価法で評価します。また、評価方法を変更する場合は、変更事業年度の開始日の前日までに申請書を提出しなければなりません。
減価償却資産の償却費
減価償却とは、使用により価値が減少する資産(減価償却資産)について、その取得価額を使用可能期間にわたり費用として配分する手続きです。土地、借地権、書画・骨董など、時間や使用によって価値が減少しないものや事業に使用しないものは対象外です。
法人税法上、減価償却を行うか否かは法人の任意であり、一部の資産のみ償却することも可能です。損金算入できる償却費は、決算で損金経理した額のうち税法上の償却限度額までです。ただし、貸付用資産は原則対象外(貸付を主要事業とする場合を除く)。
償却限度額は、取得価額、残存価額、耐用年数などを基に、定額法・定率法などで算出されます。届出がない場合の法定償却方法は定率法です。ただし、1998(平成10)年4月1日以降に取得した建物および2016(平成28)年4月1日以降に取得した建物附属設備・構築物は定額法のみです。
耐用年数・償却率は資産の種類ごとに定められています。中古資産の耐用年数は見積耐用年数を使用可能です。なお、見積もりが困難な場合は以下の式で残存対応年数を算出します。
法定耐用年数を全て経過した場合
残存耐用年数 = 法定耐用年数 × 20%
法定耐用年数の一部を経過した場合
残存耐用年数 = ( 法定耐用年数 − 経過年数 ) + 経過年数 × 20%
減価償却資産が少額等の場合は、以下のような処理も認められています。
少額の減価償却資産
使用可能期間1年未満または取得価額10万円未満の資産は、全額を損金に算入できます。
また、資本金1億円以下で、常時使用する従業員数が500人以下の青色申告法人の中小企業者等は、取得価額30万円未満の資産を全額損金算入可能です(事業年度合計300万円以内。2026(令和8)年3月31日まで)。
一括償却資産
取得価額20万円未満の資産は、通常の減価償却のほか、原則として3年間で均等に損金算入する方法も選択可能です。
なお、実際の損金経理を行った償却額が税務上の償却限度額に満たない場合(償却不足)、翌期に繰り越しはできません。ただし、償却不足額は翌期に繰り越す帳簿価額に含まれるので、翌期以降に償却可能です。
また、実際の損金経理を行った償却額が税務上の償却限度額を上回った場合(償却超過)、その超過額は損金処理が認められず、税務上の帳簿価額もその分の減価償却は行われなかったものとみなされます。
繰延資産の償却費
法人が支出する費用のうち、支出の効果が1年以上に及ぶものは、繰延資産として計上し、効果の及ぶ期間にわたり償却します。
法令で定める繰延資産は以下のとおりです。
- 創立費
- 開業費
- 開発費
- 株式交付費
- 社債等発行費
- 上記以外で、資産を賃借または使用するために支出する権利金等(長期前払費用など)
資産の評価損
法人が保有する資産を評価換えし帳簿価額を減額した場合、その減額分は損金不算入となります。ただし、災害による著しい損傷を受けた場合や、会社更生法の規定による評価換えの場合を除きます。
なお、売買目的有価証券やデリバティブ取引については、別途規定があります。
役員に対する給与
法人が役員に支給する給与は、以下のいずれかの要件を満たす場合のみ損金算入可能です。なお、ストックオプションや使用人兼務役員への賞与(使用人職務分で要件を満たすもの)も対象となります。ただし、不相当に高額な部分は損金不算入です。
定期同額給与
定期同額給与は、支給時期が1か月以下の一定の期間であり、事業年度内に支給する金額が毎回同額である給与を指します。
定期同額給与の改定は、以下の場合に限り、改定前・改定後それぞれの期間中の支給額が同額であれば、損金に算入されます。
- 事業年度開始から3か月以内の改定(特別の事情があればその後の改定)
- 役員の職制上の地位や職務内容の重大な変更等による改定
- 法人の経営状況の著しい悪化等による減額改定
事前確定届出給与
事前確定届出給与は、決められた時期に確定額を支給する旨の定め、事前に税務署に届出をした給与を指します。
届出の提出期限は、原則として以下のいずれか早い日です。
- 株主総会等の決議日(または職務執行開始日)から1か月以内
- その会計期間開始日から4か月以内
業績連動給与
業績連動給与は、同族会社ではない法人が、業務執行役員に対して支給する給与であり、利益に関する指標を基礎として算定されているものを指します。
業績連動給与は以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 内国法人(同族会社は非同族会社による完全支配関係があるものに限る)であること。
- 損金経理されていること(損金経理により引当金勘定に繰り入れた金額を取り崩す方法を含む)。
- 確定額等を限度として利益指標等を基礎として客観的な計算方法によって算定されていること。
- 報酬委員会による決定等の適正な手続きを経ていること。
- 有価証券報告書等で開示されていること。
- 利益指標等が確定後1か月(一定のものは2か月)以内に支払われ、または支払われる見込みであること。
- 業務執行役員すべてについても同様の条件となっていること。
役員退職給与
退職給与は、退職に伴い支払う給与を指します。原則として損金に算入されます。税務署長への支給時期や支給額の事前届出は不要です。
使用人給与(給料・賞与・退職給与)
役員の親族等特殊な関係にある使用人に対する給与等の額のうち、不相当に高額な部分は、損金に算入されません。
ストックオプションの費用
会社法施行日(2006(平成18)年5月1日)以降、内国法人が個人に対して役務提供の対価として税制非適格ストックオプションを付与した場合、所得税法上の課税事由が生じる日(権利行使日)に、その役務提供を受けたものとみなされます。この場合、法人は原則として権利行使日にストックオプション費用を損金算入できます(一定の例外あり)。
譲渡制限付株式を対価とする費用
法人が個人に将来の役務提供の対価として譲渡制限付株式を交付した場合、その費用は、原則として譲渡制限が解除された日の属する事業年度に損金算入されます。
役員等に対する経済的利益
法人が役員等に対して行う以下のような行為は、実質的に給与と同様の経済的効果をもたらすため、経済的利益として扱われます。
| 役員等に対する法人の行為 |
経済的利益の額 |
| 物品等を贈与した場合 |
時価 |
| 資産を低い価額で譲渡した場合 |
資産価額と譲渡価額との差額 |
| 資産を高い価額で買い入れた場合 |
資産価額と買入価額との差額 |
| 債権を放棄または免除した場合 |
免除した債権額 |
| 債務を無償で引き受けた場合 |
引き受けた債務額 |
| 居住用土地・家屋を無償または低い価額で賃貸した場合 |
通常の賃貸料と実際に徴収した賃貸料との差額 |
| 金銭を無償または低い利率で貸し付けた場合 |
通常の利息と実際に徴収した利息との差額 |
| 毎月定額で支給される渡切交際費 |
支給額 |
| 個人的費用(住宅の光熱費、家事使用人給料等)を負担した場合 |
負担額 |
| 社交団体等の会費等を負担した場合 |
負担額 |
| 役員等を被保険者および保険金受取人とする生命保険料を負担した場合 |
負担額 |
これらの経済的利益が毎月おおむね一定額であれば、通常の給与と合算し、不相当に高額でない限り損金算入可能な定期同額給与として扱われます。
寄附金
法人税法上、国や地方公共団体への寄附金および指定寄付金は、全額損金算入可能です。指定寄付金とは、公益法人等への寄付金のうち、一定の要件を満たし財務大臣が指定したものを指します(例:日本学生支援機構への寄附)。
なお、特定公益増進法人や認定NPO法人への寄附金は、損金算入額に制限があります。特定公益増進法人とは、教育・科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献など公益増進に著しく寄与する法人を指します(例:日本赤十字社)。
いずれの場合も、確定申告書に明細書類の添付が必要です。
交際費等
交際費等とは、法人が事業に関係する者(得意先、仕入先など)に対する接待・供応・慰安・贈答などの行為に要する費用をいいます。これには交際費、接待費、機密費などが含まれます。原則として交際費等は損金不算入です(税務上、費用として認められない)。
ただし、以下のような費用は全額損金算入可能です。
- 福利厚生費(従業員慰安のための運動会、演芸会、旅行など通常要する費用)
- 飲食費等(1人あたり10,000円以下で一定要件を満たす飲食費)
- 広告宣伝費(カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなどの贈答品費用)
- 会議費(会議で提供する茶菓子や弁当などの飲食費)
なお、2014(平成26)年4月1日から2027(令和9)年3月31日までに開始する各事業年度において、以下の特例が適用されます。
| 期末資本金 |
損金算入できる額 |
| 1億円以下 |
以下の①または② |
| 1億円超100億円以下 |
接待飲食費(社内飲食費を除く)の50% |
| 100億円超 |
損金算入なし |
貸倒引当金
貸倒引当金とは、取引先の倒産などにより債権(売掛金や受取手形など)が回収不能となるリスクに備え、将来の損失見込み額をあらかじめ計上する引当金です。
損金経理により貸倒引当金勘定に繰り入れた金額のうち、繰入限度額までは損金に算入可能です。損金算入した貸倒引当金は、翌事業年度の所得計算上、益金に算入されます。
貸倒損失
貸倒損失とは、取引先の倒産などにより債権(売掛金や受取手形など)が回収不能となることをいいます。
法人税法上、貸倒損失として損金算入できる要件は以下のとおりです。
| 区分 |
内容 |
税務上の取り扱い |
| 法令による貸倒れ |
①会社更生法による更生計画認可の決定 |
左記により切り捨てられる金銭債権部分をその事業年度に損金算入。 |
| 関係者の協議決定によるもの |
①債権者集会の協議決定で合理的な基準に基づき債務者の負債整理を定めているもの |
|
| 債務免除によるもの |
債務者が債務超過状態で弁済不能と認められる場合、その債権者に対して書面で債務免除額を明らかにしたもの | |
| 回収不能の場合 |
金銭債権について債権者の資産状況・支払能力等から全額回収不能が明らかになった場合 | 左記の金銭債権全額をその事業年度に損金算入。ただし、担保物がある場合は、その担保分処分後でなければなりません。 |
| 一定期間取引停止後弁済がない場合等(売掛債権の特例) |
①債権者との継続的取引停止後、最後の弁済期から1年以上経過し弁済がないとき(その売掛債権について担保物がある場合を除く) ②売掛債権総額が取り立て費用に満たず、支払督促しても弁済がないとき |
売掛債権額から備忘価額(1円)を控除した残額を損金算入。 |
圧縮記帳
圧縮記帳とは、資産の譲渡などで生じた利益の一定額を、取得した固定資産の取得価額から控除(圧縮)し、その控除額を損金として計上することで、当期の利益を減少させる方法です。
圧縮記帳には、以下の2つの制度があります。
法人税法で規定されているもの
- 国庫補助金等で取得した固定資産の圧縮記帳
- 保険金・損害賠償金等で取得した固定資産の圧縮記帳
- 交換により取得した固定資産の圧縮記帳
租税特別措置法で規定されているもの
- 収用等に伴い取得した資産の圧縮記帳
- 特定の資産の買換え等により取得した資産の圧縮記帳
租税公課
租税公課とは、国税や地方税などの税金である租税と、国や公共団体への交付金や会費などの公的な課金である公課を合わせたものです。
法人税における租税公課の取扱いは以下のとおりです。
| 損金算入できる租税公課 |
固定資産税 |
| 損金算入できない租税公課 |
法人税 |
法人税の税額の計算方法について
法人税の税額は、以下の式で算出されます。
法人税の税額 = 法人の所得金額 × 法人税率
法人税率(2019(平成31)年4月1日以降に事業を開始した場合)
法人税率は、法人の区分や所得金額に応じて異なります。
| 法人の区分 |
所得金額 |
税率 |
|
| 普通法人 |
資本金1億円超 |
23.2% | |
| 資本金1億円以下 |
年800万円以下の部分 |
15.0% | |
| 年800万円超の部分 |
23.2% |
||
| 協同組合等 |
年800万円超の部分 | 19.0% | |
| 年800万円以下の部分 | 15.0% | ||
| 公益法人等 |
公益法人等とみなされているもの | 年800万円超の部分 | 23.2% |
| 年800万円以下の部分 | 15.0% | ||
| 人格のない社団等 | 年800万円超の部分 | 23.2% | |
| 年800万円以下の部分 | 15.0% | ||
特定同族会社の留保所得に対する特別税率について
同族会社とは、3人以下の株主等とその同族関係者が保有する株式等の割合が発行済株式総数の50%超、または議決権の保有割合が50%超である会社をいいます。このうち、株主等1人とその同族関係者の保有割合で判定される法人を特定同族会社といいます。
特定同族会社が、所得のうち一定額を超えて利益を社内留保した場合、通常の法人税に加え、課税留保金額に対して留保金課税(特別税率)が課されます。ただし、2007(平成19)年4月1日以降開始事業年度から、資本金1億円以下の会社(資本金5億円以上の法人の100%子会社等を除く)は対象外です。
課税留保金額は以下の式で算出されます。
課税留保金額 = 留保金額 − 留保控除額
留保金額 = 所得等の金額のうち留保した金額 − ( 法人税額 + 地方法人税額 + 住民税額 )
留保控除額は、以下の①〜③のうち最も多い額です。
①所得基準額 = 所得等の金額 × 40%
②定額基準額 = 2,000万円 × 当期の月数 ÷ 12
③積立金基準額 = 期末資本金の額 × 25% − 期末利益積立金額
特別税率は課税留保金額に応じて、以下のとおり税率が定められています。
| 課税留保金額 |
税率 |
| 年3,000万円以下 |
10% |
| 年3,000万円超1億円以下 |
15% |
| 年1億円超 | 20% |
法人税の申告と納付について
確定申告
法人は、原則として事業年度終了後2か月以内に、法人税の申告および納付を行う必要があります。
中間申告
以下の条件を満たす法人は、事業年度の上半期分について中間申告を行います。
- 事業年度が6か月を超える
- 前事業年度の確定法人税額が20万円超(予定申告による中間納付税額が10万円超)
各事業年度開始から6か月経過後2か月以内に、中間申告および納付を行う必要があります。
納税地
内国法人は、その法人の本店または主たる事業所の所在地です。また、国内に事務所等がある外国法人は、その事務所等の所在地です。
地方法人税について
地方法人税は、地域間の税源偏在を是正し、財政力格差を縮小するために創設された国税です。法人住民税の「法人税割」の税率を引き下げ、その引き下げ分に相当する額を、法人税額を課税標準として課税します。2014(平成26)年10月1日以降に開始する事業年度から、法人税を納める義務がある法人は、地方法人税も納める義務があります。
地方法人税は、以下の式で算出されます。
地方法人税 = 基準法人税額 × 税率
※基準法人税額:概ね所得税額控除や外国税額控除前の法人税額(連結納税適用法人は連結法人税額)
※税率:10.3%
法人住民税について
法人住民税は、法人に課される道府県民税(都を含む)と市町村民税(特別区を含む)を合わせたもので、法人税割と均等割の2つで構成されています。
法人住民税の構成
| 区分 |
都道府県民税 |
市区町村民税 |
| 法人税割 |
法人税額 × 税率 |
法人税額 × 税率 標準税率:6.0% |
| 均等割 |
資本金の額に応じて課税 |
資本金の額および従業員数に応じて課税 |
※標準税率:地方自治体が通常用いるべき税率であり、必要に応じて変更可能です。
法人事業税について
法人事業税は、事業を行う法人に対して課税される税金です。事業を行う法人は、事務所または事業所の所在地の都道府県において、事業税を申告・納付する義務があります。
法人事業税は、以下の式で算出されます。
法人事業税 = 法人の所得金額 × 税率
※資本金1億円超の法人には、所得金額以外の要素を考慮する外形標準課税が適用されます。
特別法人事業税について
特別法人事業税は、地方税の税源偏在を是正し、都市・地方の持続可能な発展を図るために創設された国税です。消費税率10%段階で復元後の法人事業税の約3割を分離して課税します。2019(令和元年)年10月1日以降に開始する事業年度から、法人事業税を納める義務がある法人は、特別法人事業税も納める義務があります。
特別法人事業税は、以下の式で算出されます。
特別法人事業税 = 基準法人所得割額 × 税率
※税率:資本金1億円以下は37%、資本金1億円超は260%
事業所税について
事業所税は、都市環境の整備・改善に必要な費用に充てるための目的税で、
地方自治体が定める指定都市で課税される市町村税です(特例で都税として課税される場合あり)。
|
|
課税標準 |
税率 |
免税点 |
| 資産割 |
事業床面積 (㎡) |
600円/㎡ | 1,000㎡以下 |
| 従業者割 |
従業者給与総額 |
0.25% |
100人以下 |