消費税
最終更新日: 2026-02-17

消費税の課税取引について

 
消費税とは、国内で行われる商品や製品の販売、サービスの提供などの取引に課される間接税です。また、輸入取引も国内で消費することを目的としているため、課税対象となります。
消費税の課税対象となる取引は、以下のすべての要件を満たすものです。

  • 国内で行われること。
  • 事業者が行うこと。
  • 事業として行われること。※1
  • 対価を得て行われること。※2

※1:「事業として」とは、資産の譲渡などを、対価を得て、繰り返し・継続的に、かつ独立して行うことを指します。
※2:「対価を得て」とは、資産の譲渡、貸付け、役務の提供に対して反対給付を受け取ることを意味します。


消費税の不課税取引について

 
以下のような取引は、課税取引の要件を満たさないため、課税対象とはならず「不課税取引」となります。

  • 給与・賃金
  • 寄付金、祝い金、見舞金、補助金など
  • 無償提供された試供品や見本品
  • 保険金・共済金
  • 株式の配当、その他の出資分配金
  • 廃棄・盗難・滅失した資産
  • 損害賠償金

消費税の非課税取引について

 
課税取引の要件を満たしていても、消費税が「消費に負担を求める税」である性格や社会政策的な配慮から、課税しない「非課税取引」が定められています。
 

税の性格から課税対象とすることになじまないもの

 

  • 土地(権利を含む)の譲渡・貸付け(ただし、1か月未満の貸付けや、テニスコート・プール・駐車場など施設利用に付随する場合は課税対象)
  • 有価証券や支払手段の譲渡(ゴルフ会員権で株式・出資・預託の形態のものは有価証券に含まれず課税対象)
  • 利子・保証料・保険料など
  • 郵便切手・印紙の譲渡
  • 商品券・ビール券・図書券・旅行券・プリペイドカードなどの譲渡
  • 住民票・戸籍事項証明書などの行政手数料
  • 国際郵便為替・外国為替など

 

社会政策的な配慮に基づくもの

 

  • 社会保険医療や社会福祉事業
  • 介護保険法に基づく保険給付対象サービス(居宅・施設)
  • 出産費用
  • 埋葬料・火葬料
  • 身体障害者用物品の譲渡・貸付け
  • 一定の学校の授業料・入学金・検定料・施設設備費
  • 教科用図書の譲渡
  • 住宅の貸付け(ただし、①貸付期間が1か月未満の場合 ②ウィークリーマンション・貸別荘・リゾートマンション・ホテル等(利用期間が1か月以上の場合を含む)は課税対象)

 

家屋の賃料等に係る消費税の取扱い

 

内容

消費税

居住用家屋の賃料(返済不要の礼金・敷金・保証金を含む)※

非課税

事業用家屋の賃料(返済不要の礼金・敷金・保証金を含む)

課税

返金すべき敷金・保証金等

課税対象外

※住宅には社宅も含まれるため、法人が借りた社宅家賃の家主への支払いも、法人が従業員等から受け取った社宅家賃も非課税です。


消費税の税率について

 
消費税は、標準税率7.8%と軽減税率6.24%の複数税率が採用されています。
さらに、消費税額に対して地方消費税(消費税額の22/78)が課税されるため、換算すると以下のとおりです。
 
消費税の税率は、標準税率7.8%、軽減税率6.24%の複数税率です。
また、消費税のほかに地方消費税が別途消費税額の22/78(消費税率に換算して標準税率2.2%、軽減税率1.76%)課税されるので、こられを合わせた税率は、標準税率10%軽減税率8%となります。
 

 区分

標準税率

軽減税率

消費税率

7.8%

6.24%

地方消費税率

2.2%

1.76%

合計

10.0%

8.0%

 

軽減税率の対象品目

 

  • 飲食料品(酒類を除く食品。ただし、外食サービス等は対象外)
  • 新聞(定期購読契約があり、週2回以上発行される一定のもの)

消費税の納税義務者について

 
消費税の負担者は一般消費者ですが、納税義務者は以下のとおりです。

  • 国内取引の場合:個人事業者および法人
  • 輸入取引の場合:保税地域から外国貨物を引き取る者

事業者免税点制度 

 
事業者免税点制度とは、小規模事業者の事務負担を軽減するため、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の場合、その課税期間の消費税納税義務を免除する制度です。
基準期間とは、個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年の法人の場合はその事業年度の前々事業年度です。
なお、その課税期間の基準期間で課税売上高が1,000万円以下でも、特定期間の課税売上高が1,000万円超の場合は、その課税期間から課税事業者となります。
特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年1月1日から6月30日までの期間です。法人の場合は、原則としてその事業年度の前事業年度開始日から6か月間です。
なお、免税事業者でも消費税課税事業者選択届出書を提出することで課税事業者になれます。ただし、一度課税事業者となると、事業廃止を除き2年間は免税事業者に戻れません

個人事業者の場合の消費税の課税事業者・免税事業者の判定

 

課税事業者・免税事業者の判定

新規開業・新規設立法人

 
新規開業の個人事業者や新規設立の法人は、基準期間がないため、原則として当初2年間(2事業年度)は免税事業者となります。ただし、資本金または出資金が1,000万円以上の法人は免税事業者になれません。


適格請求書等保存方式(インボイス制度)について

 
適格請求書等保存方式(インボイス制度)とは、「適格請求書(インボイス)」と呼ばれる、適用税率・消費税額・登録番号など一定の事項が記載された請求書を保存することで、初めて仕入税額控除が認められる仕組みです。2023年(令和5)年10月1日から導入されました。
制度の開始に伴い、事業者は以下の対応が求められます。

  • 売手側の対応:適格請求書発行事業者として登録し、相手方から求められた際には適格請求書(インボイス)を交付します。また、交付した適格請求書(インボイス)の控えは、交付日の属する課税期間の末日の翌日から2か月後の翌日を起算点として、7年間保存する義務があります。
  • 買手側の対応:適格請求書(インボイス)を含む帳簿書類を保存しなければ、仕入税額控除を受けることができません。保存期間は、課税期間の末日の翌日から2か月後の翌日を起算点として7年間です。

 

適格請求書(インボイス)の記載内容

 
適格請求書(インボイス)に記載すべき必須事項は、以下のとおりです。

  • 適格請求書発行事業者の名称・登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象かどうか)
  • 税率ごとに区分した金額(税抜または税込)
  • 税率ごとに区分した消費税額
  • 請求書の交付を受ける事業者の名称

これらが明記されていなければ、「軽減税率かどうか」「税率ごとの消費税額はいくらか」が判断できず、仕入税額控除を行うことはできません。
 

適格請求書(インボイス)発行事業者

 
適格請求書(インボイス)を発行できるのは、登録を受けた「適格請求書発行事業者」に限られます。登録番号や登録状況は国税庁の公表サイトで確認できます。
登録には課税事業者であることが前提で、免税事業者は登録しない限り適格請求書(インボイス)を発行できません。このため、制度導入時には「免税事業者と取引すると買手側が仕入税額控除を受けられなくなる」という点が大きな議論となりました。
 

免税事業者への影響と経過措置

 
制度開始後も一定期間は、免税事業者との取引による仕入税額控除を一部認める経過措置が設けられています(6年間)。
免税事業者からの仕入れ控除の割合(経過措置)は、以下のとおりです。

  • 2023(令和5)年10月1日〜2026(令和8)年9月30日:80%控除
  • 2026(令和8)年10月1日〜2029(令和11)年9月30日:50%控除
  • 2029(令和11)年10月1日以降:0%(控除なし)

小規模事業者の負担が急激に増えないよう配慮されていますが、長期的には免税事業者との取引が不利になる方向です。
 

小規模事業者向けの特例

 
適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入に伴い、負担を軽減するための特例も用意されています。

  • 2割特例(2023(令和5)年10月1日〜2026(令和8)年9月30日)
    免税事業者が適格請求書(インボイス)発行事業者になった場合、売上税額の2割のみを納税すればよいという特例です。実額の仕入税額控除計算が不要となり、事務負担が大幅に軽減されます。
  • 少額特例(2023(令和5)年10月1日〜2029(令和11)年9月30日)
    基準期間における課税売上高が1億円以下、または特定期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者については、税込1万円未満の課税仕入れであれば、適格請求書(インボイス)がなくても帳簿の記載のみで仕入税額控除が可能です。

消費税の税額の計算方法について

 
消費税の納付税額は、課税売上割合および課税売上高によって計算方法が異なります。

課税売上割合が95%以上かつ課税売上高が5億円以下の場合(原則課税)

 
総売上のうち課税取引が95%以上、かつ課税売上高が5億円以下の場合、以下の式で算出されます。
 

消費税の納付税額 = 課税売上げに係る消費税額 − 課税仕入れに係る消費税額
課税売上げに係る消費税額 = ( 標準税率対象の税抜売上額 × 7.8% ) + ( 軽減税率対象の税抜売上額 × 6.24% )
課税仕入れに係る消費税額 = ( 標準税率対象の税抜仕入額 × 7.8% ) + ( 軽減税率対象の税抜仕入額 × 6.24% )

 
課税期間は、原則として個人の場合は1月1日から12月31日までの1年間で、法人の場合は事業年度です。 

課税売上割合が95%未満または課税売上高が5億円超の場合(原則課税)

 
総売上のうち課税取引が95%未満または課税売上高が5億円超の場合、以下の式で算出されます。
 

消費税の納付税額 = 課税売上げに係る消費税額 − 課税売上げに対応する課税仕入れの消費税額

 
「課税売上げに対応する課税仕入れの消費税額」は、「個別対応方式」または「一括比例配分方式」いずれかの方法を選択して算出します。
 
まず、課税仕入れの消費税額を以下の3つに区分します。
 

  1. 課税売上げにのみ対応する課税仕入れの消費税額
  2. 非課税売上げにのみ対応する課税仕入れの消費税額
  3. 課税売上げと非課税売上げに共通して対応する課税仕入れの消費税額

 
個別対応方式の場合、以下の式で算出されます。
 

仕入控除額 = A + ( C × 課税売上割合 )

 
一括比例配分方式の場合、以下の式で算出されます。
 

仕入控除額 = ( A + B + C ) × 課税売上割合

簡易課税制度

 
簡易課税制度は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者が、仕入れに係る消費税額を実額ではなく、課税売上高に一定割合(みなし仕入率)を掛けて計算する制度です。この制度を利用するには、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。選択後は、原則として2年間は取りやめできません
事業を6つに区分し、それぞれに以下のみなし仕入率を適用します。
 

事業区分

業種

みなし仕入率

第1種事業

卸売業

90%

第2種事業

小売業、農林水産業(飲食料品の譲渡に係る事業)

80%

第3種事業

製造業(製造小売業を含む)、工業、建設業、農林水産業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業

70%

第4種事業

飲食店業、その他の事業

60%

第5種事業

金融業、保険業、運輸通信業、サービス業(飲食店業に該当する事業を除く) 50%

第6種事業

不動産業 40%

 
消費税の納付税額は、以下の式で算出されます。
 

消費税の納付税額 = 課税売上高(税抜) × 7.8% − 課税売上高(税抜) × みなし仕入率 × 7.8%


消費税の申告と納付について

 
消費税の課税期間は、個人事業者は暦年(1月1日〜12月31日)、法人は事業年度です。
課税事業者は、課税期間終了日の翌日から2か月以内に、納税地を所轄する税務署へ消費税の確定申告書を提出し、納付します。
ただし、法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受ける法人は、消費税の申告期限延長届出書を提出した場合、申告期限が1か月延長されます。
なお、個人事業者は、課税期間の翌年3月31日までに確定申告・納付が必要です。
 

中間申告の義務

 
消費税の課税期間は原則として1年ですが、直前の課税期間(個人事業者の場合は前年、法人の場合は前事業年度)の消費税(地方消費税を除く)の年税額が48万円超の場合には、年税額に応じて中間申告が必要です。
 

直前の消費税の年税額(地方消費税を含む)

申告・納付回数

4,800万円超(6,000万円超)

毎月(確定申告1回と中間申告11回)

400万円超4,800万円以下(500万円超6,000万円以下)

3か月ごと(確定申告1回と中間申告3回)

48万円超400万円以下(60万円超500万円以下)

6か月ごと(確定申告1回と中間申告1回)

48万円以下(60万円以下)

原則として中間申告不要(任意の中間申告制度あり)