建物の区分所有等に関する法律
最終更新日: 2025-12-06

建物の区分所有について

 
一棟の建物において、構造上区分された複数の部分があり、それぞれが独立した住居、店舗、事務所、倉庫その他の建物としての用途に使用することができる場合、各部分はそれぞれ所有権の対象とすることができます。


区分所有権と区分所有者について

 
区分所有権とは、前述の「建物の区分所有」に規定される建物の部分を対象とする所有権をいいます。区分所有権は、登記によって第三者に対抗することができます。また、区分所有権を有する者を区分所有者と呼びます。


専有部分と共有部分について

 
専有部分とは、区分所有権の対象となる建物の部分をいいます。
共有部分とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物、および規約により共用部分とされた附属建物を指します。具体例として、階段、エレベーター、エントランス、集会所などが該当します。
数個の専有部分に通じる廊下や階段室、その他構造上区分所有者全員または一部の共用に使用されるべき建物の部分および附属建物は、規約により共用部分とすることができます。この場合、その旨を登記しなければ第三者に対抗することはできません
共有部分は、規約で別段の定めがない限り、原則として区分所有者全員の共有に属します。各共有者の持分は、その専有部分の床面積の割合によって決まります。なお、共有者は、原則として専有部分と切り離して持分を処分することはできません
共有部分の管理に関する事項は、規約で別段の定めがない限り、原則として集会の決議によります。ただし、共有部分の保存行為は、各共有者が行うことができます
また、共有部分の変更(形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決まります。ただし、この区分所有者の定数は、規約により過半数まで減ずることができます。


建物の敷地と敷地利用権について

 
建物の敷地とは、建物が所在する土地および規約により建物の敷地とされた土地をいいます。建物と一体として管理または使用する庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができます。また、建物が所在する土地が、一部の滅失や分割により建物が所在する土地以外の土地になった場合でも、建物の敷地とすることができます。
敷地利用権とは、専有部分を所有するために必要な建物の敷地に関する権利をいいます。区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、原則として専有部分とその専有部分に係る敷地利用権を分離して処分することはできません


管理組合について

 
区分所有者は、全員で建物、敷地および附属施設の管理を行うための団体(管理組合)を構成し、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができます。区分所有者は必ず管理組合に加入しなければならず、任意に管理組合から脱退することはできません。


管理者について

 
区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、集会の決議によって管理者を選任または解任することができます。管理者は、共用部分、建物の敷地および附属施設を保存し、集会の決議を実行し、さらに規約で定められた行為を行う権利と義務を有します。また、規約に特別の定めがある場合、管理者は共有部分を所有することができます


規約と集会について

 
建物、敷地、附属施設の管理または使用に関する区分所有者相互間の事項は、規約で定めることができます。規約は管理者が保管しなければなりません。ただし、管理者がいない場合は、建物を使用している区分所有者またはその代理人で、規約または集会の決議により定められた者が保管します。また、規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません。規約の設定、変更、廃止は、集会の決議によって決定されます。
集会は、管理者が少なくとも毎年1回招集しなければなりません。区分所有者の5分の1以上で、議決権の5分の1以上を有する者は、管理者に対し、会議の目的事項を示して集会の招集を請求できます。ただし、この定数は規約で減ずることができます。
集会の招集通知は、少なくとも1週間前に会議の目的事項を示して各区分所有者に発しなければなりません。ただし、この期間は規約で変更できます。なお、区分所有者全員の同意がある場合、招集手続きを経ずに集会を開くことができます。
 

集会の決議要件

 

決議内容

必要な賛成数

一般事項、管理者の選任・解任、共有部分の管理など

区分所有者および議決権の各過半数 ※1

規約の設定・変更・廃止、管理組合法人の成立、共用部分の変更 ※2、大規模滅失時の建物復旧、専有部分の使用禁止請求、区分所有権の競売請求、占有者への引渡し請求など

区分所有者および議決権の各4分の3以上

建物の建替え

区分所有者および議決権の各5分の4以上

※1:規約で別段の定めをすることができます。
※2:区分所有者の定数は、規約で過半数まで減ずることができます。

 
建替え決議は、次のように覚えましょう!
 

FP検定語呂合わせ暗記_管理規約「建物の建替え」の決議要件