厚生年金保険の適用事業所について
厚生年金保険は、民間企業の会社員や公務員などが加入する公的年金制度です。ただし、すべての事業所が自動的に適用対象となるわけではなく、従業員が常時5人以上いるなど、一定の条件を満たす事業所が「適用事業所」として厚生年金保険の対象となります。
なお、株式会社などの法人が運営する事業所については、従業員が常時1人でもいれば、厚生年金保険への加入が義務付けられており、強制適用事業所として扱われます。
厚生年金保険の被保険者について
厚生年金保険の被保険者は、原則として、適用事業所に勤務する70歳未満の人で、一定の加入要件を満たす人です。
一方、厚生年金保険の適用事業所以外の事業所で働く70歳未満の人は、任意単独被保険者として、任意で厚生年金保険に加入することができます。この場合、保険料は事業主と本人がそれぞれ半額ずつ負担します。
また、老齢厚生年金を受給しながら適用事業所で働く70歳以上の人は、厚生年金保険の被保険者とはならず、保険料の負担もありません。
さらに、70歳到達時点で老齢基礎年金または老齢厚生年金の受給資格を満たしていない人は、受給資格期間を満たすために、高齢任意加入被保険者として、70歳以降も任意で厚生年金保険に加入することができます。この場合の保険料は、全額本人負担となります。
厚生年金保険の保険料について
厚生年金保険の保険料は、標準報酬月額および標準賞与額に保険料率(18.3%)を乗じて算出される総報酬制が採用されています。算出された保険料は、被保険者と事業主がそれぞれ半分ずつ負担します。
標準報酬月額は、1等級(8万8千円)から32等級(65万円)までの32段階に区分されています。また、標準賞与額には、1回あたり150万円の上限が設けられています。
育児休業などを取得している被保険者については、事業主が所定の届出を行うことで、育児休業期間中の保険料(被保険者負担分・事業主負担分)が免除されます。免除対象期間は、子どもが3歳になるまでです。
また、産前産後休業期間中についても同様に、保険料の免除措置が適用されます。
これらの免除期間は、保険料を納付した期間として取り扱われ、老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給資格期間や年金額に反映されます。
共済組合と厚生年金保険について
共済組合とは、公務員や私立学校の教職員などを対象として、公的な社会保障制度を運営する社会保険組合です。
2015(平成27)年10月に共済年金は厚生年金保険に統合され、公務員なども厚生年金保険の被保険者となりました。ただし、共済組合そのものは現在も存続しており、医療保険や各種福祉事業などの運営を担っています。
主な共済組合の対象者および保険者は、次のとおりです。
| 名称 |
対象者 |
保険者 |
| 国家公務員共済組合 |
常勤の国家公務員など |
各省庁の共済組合 |
| 地方公務員等共済組合 |
常勤の地方公務員など |
各地方公共団体の共済組合 |
| 私立学校教職員共済組合 |
私立学校に勤務する教職員 |
日本私立学校振興・共済事業団 |