贈与税
最終更新日: 2025-03-30

贈与税について

 
贈与税とは、生存している人から無償で財産を取得した場合、その財産を受け取った人に課される税金です。
なお、法人から財産を受け取った場合は、贈与税ではなく所得税(給与所得や一時所得)の課税対象となります。


贈与税の納税義務者について

 
贈与税は、原則として財産を受け取った個人(受贈者)に課税されます。なお、社団や公益法人等も、場合によっては個人とみなされ、贈与税が課税されることがあります。
贈与税の納税義務者と課税対象範囲は、財産取得時の住所や財産の所在によって以下のとおりです。
 

区分

納税義務者

課税対象の範囲

居住無制限納税義務者

贈与により財産を取得し、その取得時に日本国内に住所がある個人

国内・国外を問わず取得したすべての財産

非居住無制限納税義務者

贈与により財産を取得し、その取得時に日本国内に住所がない個人のうち、日本国籍を有し、かつ贈与前10年以内に贈与者または受贈者のいずれかが日本国内に居住していた場合

制限納税義務者

贈与により財産を取得し、その取得時に日本国内に住所がない個人で、非居住無制限納税義務者に該当しない場合

国内財産のみ


贈与財産について

 
贈与税の課税対象となる財産は、「本来の贈与財産」と「みなし贈与財産」に分類されます。

本来の贈与財産

 
贈与によって取得した財産で、金銭に換算できる経済的価値を持つものを指します。
例:現金、預貯金、株式、土地、建物、ゴルフ会員権、営業権など。

みなし贈与財産

 
贈与による取得ではないものの、実質的に贈与と同様の経済的効果を持つ財産です。
主な例は以下のとおりです。

  • 生命保険金
    保険事故発生により保険金を受け取った場合で、保険料を被相続人や受取人以外の者が負担しているもの。ただし、被相続人が保険料を負担している場合は、相続税の課税対象です。さらに、受取人が保険料を負担している場合は、所得税(一時所得)の課税対象です。
  • 定期金に関する権利
    個人年金保険契約で、保険料負担者以外の者が年金を受け取る場合、定期金の贈与があったとみなされます。
  • 財産の低額譲受による利益
    時価より著しく低い価額で財産を取得した場合、差額分は贈与とみなされます。
  • 債務の免除・引き受け等による利益
    債務の免除や引き受けにより利益を受けた場合、その金額相当分が贈与とみなされます。ただし、債務者が資力を喪失し、弁済不能で免除された場合は贈与とみなされません。
  • 金銭の形式的貸借
    親子や夫婦等で返済意思や資力がない貸借は、贈与とみなされます。
  • 財産の名義変更や他人名義での取得
    不動産や株式を配偶者や子の名義に変更したり、または購入した場合は贈与とみなされます。例えば、親の土地を子へ無償で名義変更した場合や、夫の資金で妻名義の株式を購入した場合、夫婦共有名義の住宅ローンを夫のみが返済する場合などは、贈与税の課税対象となります。
    ただし、無償で土地を貸す使用貸借は土地使用の権利価値はゼロとされ、贈与税の課税対象外です。一方、賃貸借契約や地上権設定契約に基づく土地利用においては借地権が発生し、借地権者が対価なく土地を利用する場合は、借地権者に贈与税が発生します。

贈与税の非課税財産について

 
贈与財産から差し引くことができる主な非課税財産は、以下のとおりです。

  • 扶養義務者から取得した通常必要とする生活費や教育費
  • 社会通念上相当と認められる金品
    例:お祝い、お見舞い、年末年始の贈答品、香典など
  • 法人から個人への贈与財産
    ただし、贈与税ではなく、所得税(一時所得または給与所得)・住民税の課税対象となります。
  • 相続または遺贈によって財産を取得した人が、相続開始年に被相続人から取得した贈与財産
    ただし、贈与税ではなく、相続税の課税対象となります。
  • 離婚による財産分与で取得した財産
    ただし、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他の事情を考慮してもなお過大と認められる部分は、贈与税の課税対象となります。

特例贈与財産について

 
特例贈与財産とは、直系尊属(父母・祖父母など)から直系卑属(子・孫など)へ贈与された財産を指します。
ただし、受贈者は、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であることが条件です。


一般贈与財産について

 
一般贈与財産とは、特例贈与財産に該当しない贈与財産を指します。
具体的には、以下のような場合が該当します。

  • 直系尊属(父母・祖父母など)以外からの贈与
  • 直系尊属からの贈与で、贈与を受けた年の1月1日時点で受贈者が18歳未満の場合

贈与税の計算方法について

 
贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与により取得した財産の合計額に対して課される暦年課税です。
基礎控除額は年間110万円であり、これを超える部分に贈与税が課税されます。したがって、贈与財産の合計額が110万円以下の場合、申告は不要です。

同一年中に特例贈与財産または一般贈与財産のみの場合

 
1.特例(または一般)贈与財産の価額を計算
 

特例(または一般)贈与財産の価額 = 本来の贈与財産 + みなし贈与財産 − 非課税財産

 
2.控除後の課税価格を計算
 

控除後の課税価格 = 特例(または一般)贈与財産の価額 − 配偶者控除額 − 基礎控除額
※基礎控除額は受贈者ごとに年間110万円。複数人から贈与を受けても合計で110万円が上限。

 
3.贈与税額を計算
 

贈与税額 = 控除後の課税価格 × 税率 − 控除額
※税率は「特例贈与財産」と「一般贈与財産」で異なります。

同一年中に特例贈与財産と一般贈与財産の両方を受けた場合

 
1.特例贈与財産の価額を計算
 

特例贈与財産の価額 = 本来の贈与財産 + みなし贈与財産 − 非課税財産

 
2.一般贈与財産の価額を計算
 

一般贈与財産の価額 = 本来の贈与財産 + みなし贈与財産 − 非課税財産

 
3.合計贈与財産の価額を計算
 

合計贈与財産の価額 = 特例贈与財産の価額 + 一般贈与財産の価額

 
4.控除後の課税価格を計算
 

控除後の課税価格 = 合計贈与財産の価額 − 配偶者控除額 − 基礎控除額
※基礎控除額は受贈者ごとに年間110万円。複数人から贈与を受けても合計で110万円が上限。

 
5.特例贈与税額を計算
 

特例贈与税額の計算式

※税率は「特例贈与財産」と「一般贈与財産」で異なります。

 
6.一般贈与税額を計算
 

一般贈与税額の計算式

※税率は「特例贈与財産」と「一般贈与財産」で異なります。

 
7.贈与税額を計算
 

贈与税額 = 特例贈与税額 + 一般贈与税額


贈与税の税額について

 
贈与税は、特例贈与財産一般贈与財産で適用される税率が異なります。
税額は、基礎控除後の課税価格に応じて、以下の速算表を用いて計算します。 

特例贈与財産用の贈与税の速算表

 

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

200万円以下

10%

200万円超400万円以下

15%

10万円

400万円超600万円以下

20%

30万円

600万円超1,000万円以下

30% 90万円

1,000万円超1,500万円以下

40% 190万円

1,500万円超3,000万円以下

45% 265万円

3,000万円超4,500万円以下

50% 415万円

4,500万円超

55% 640万円

一般贈与財産用の贈与税の速算表

 

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

200万円以下

10%

200万円超300万円以下

15%

10万円

300万円超400万円以下

20%

25万円

400万円超600万円以下

30% 65万円

600万円超1,000万円以下

40% 125万円

1,000万円超1,500万円以下

45% 175万円

1,500万円超3,000万円以下

50% 250万円

3,000万円超

55% 400万円

贈与税の配偶者控除について

 
贈与税の配偶者控除とは、夫婦間で居住用不動産またはその取得資金を贈与した場合、基礎控除110万円に加えて最大2,000万円の特別控除が受けられる制度です。
 

主な適用要件

 

  • 婚姻期間が20年以上の配偶者からの贈与であること。
  • 過去に同じ配偶者からの贈与について、この制度を適用していないこと。
  • 贈与財産が居住用不動産またはその取得資金であること。
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その不動産に居住し、継続して居住する見込みであること。
  • 贈与税の申告期限までに、納税額が0円でも申告書を提出すること。

 
なお、店舗兼用住宅など居住用以外の部分を含む場合、控除対象は居住用部分のみとなります。ただし、居住用部分が総面積の9/10以上なら全体が控除対象となります。
また、贈与後3年以内に相続が発生した場合、通常は贈与財産も相続税課税価格に加算されますが、配偶者控除を適用した贈与財産は加算されません


相続時精算課税制度について

 
相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子(推定相続人・代襲相続人を含む)や孫に財産を贈与した場合に選択できる制度です。
なお、住宅取得資金の贈与については、贈与者の年齢制限はありません。
受贈者は、贈与者ごとに暦年課税と相続時精算課税制度のいずれかを選択できます
本制度の適用を受けるには、最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」を贈与税申告書に添付して提出する必要があります。
一度選択すると、その贈与者からの贈与はすべて相続時精算課税の対象となり、暦年課税に戻すことはできません。
相続時精算課税の適用を受ける贈与財産は、1年間の贈与財産の合計額に基づき贈与税を計算します。
2,500万円までの贈与財産は、特別控除額として非課税です。控除額を超える部分は一律20%の税率が適用されます。
贈与者の相続時に、これまでの贈与財産(贈与時の時価)と相続財産を合算して相続税を計算します。この場合、納付済みの贈与税額は相続税から控除されます。なお、控除しきれない場合は還付されます。
2023年度税制改正では、相続時精算課税制度の見直しが行われました。従来は基礎控除がなく、110万円以下の贈与でも申告が必要とでした。改正後は、相続時精算課税制度を選択しても年間110万円の基礎控除が適用され、毎年110万円以下の贈与なら申告不要です。この改正は、2024(令和6)年1月1日以降の贈与に係る相続税または贈与税について適用されます。
また、相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産が土地・建物であって、その土地・建物が災害で一定の被害を受けた場合、その土地・建物の評価額を再計算し、被害額を贈与時の価額から控除して相続財産に加算できるようになりました。この改正は、2024(令和6)年1月1日以降の災害による被害から適用されます。


直系尊属から住宅取得等資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度について

 
この制度は、2026(令和8)年12月31日までに、直系尊属(父母・祖父母など)から住宅の新築・取得・増改築等のための資金を贈与された場合、一定の要件を満たせば、贈与税が非課税となる制度です。
申告書を提出することで適用を受けられ、暦年課税の基礎控除(110万円)または相続時精算課税制度と併用可能です。
 

受贈者・贈与者の主な適用要件

 

  • 受贈者が贈与者の直系卑属(養子を含む)であること。
  • 受贈者が日本国内に居住、または日本国籍を有し、贈与者が過去10年以内に日本国内に居住したことがあること。
  • 受贈者が贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること。
  • 受贈者が、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)であること。
  • 2009(平成21)年分から2014(平成26)年分までの贈与税の申告で住宅取得等資金の非課税の適用を受けたことがないこと。
  • 贈与を受けた資金で翌年3月15日までに住宅の新築・取得・増改築等をすること。
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または居住することが確実であると見込まれること。

 

対象となる住宅の主な適用要件

 

  • 住宅用家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下(贈与を受けた年の合計所得金額が1,000万円以下の場合は40㎡以上240㎡以下)であること。
  • 住宅用家屋の床面積の1/2以上が居住用であること。
  • 配偶者や親族など特別関係者から取得した家屋でないこと、またはこれらの人との請負契約等により新築・増改築等したものでないこと。
  • 以下のいずれかに該当する住宅であること。
    • 建築後未使用住宅
    • 新耐震基準適合住宅(登記簿上の建築日付が1982(昭和57)年1月1日以降の家屋は、新耐震基準に適合しているとみなす)
    • 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの
    • 耐震改修を行うことにつき、都道府県知事等に申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明書等により証明がされたもの
  • 増改築等の工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」等の書類により証明されたものであること。
  • 増改築等の工事費が100万円以上であること。
  • 増改築等の工事費の1/2以上が居住用部分の工事に要したものであること。

 

非課税限度額

 

住宅の種類

非課税限度額

省エネ等住宅 ※

1,000万円

上記以外の住宅

500万円

※省エネ等住宅とは、①省エネ等基準が高い ②耐震等級2以上または免震建築物 ③バリアフリー性の高い住宅 のいずれかを満たす住宅を指します。

 
なお、相続開始前7年以内の贈与財産は通常相続財産に加算されますが、本制度で非課税となった金額は加算されません


直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度 

 
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度とは、2013(平成25)年4月1日から2026(令和8)年3月31日までの間に、直系尊属(父母、祖父母等)が一定の要件を満たす受贈者(子、孫等)に対して、教育資金に充てるために金融機関等との一定の契約に基づき、金銭等を一括贈与した場合には、一定金額までの贈与税が非課税となる制度です。
 
受贈者の主な要件は、次のとおりです。
 

  • 30歳未満の子、孫等であること(ただし、30歳以上でも学校等に在籍している場合には、最長40歳に達する日まで)
  • 前年の合計所得金額が1,000万円以下であること

 
教育資金の主な範囲は、次のとおりです。
 

  • 学校等に対して直接支払われる入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費、試験の検定料等
  • 学校等に対して直接支払われる学用品の購入費、修学旅行費、学校給食費等、学校等における教育に伴って必要な費用等
  • 学校等以外に対して直接支払われる学習塾や習い事の費用等で、社会通念上相当と認められるもの
  • 通学定期券や留学渡航費等の交通費

 
受贈者1人につき、1,500万円までの贈与税が非課税となります。
ただし、学校等以外に対して支払われる金銭については、500万円までとなります。
 
次の点は、この制度の大切なポイントです。
 

  1. 受贈者が30歳到達時点で残高がある場合一般税率による贈与税の課税対象となります。
  2. 受贈者が30歳到達前に贈与者が死亡し、残高がある場合、管理残高を贈与者から相続等により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。受贈者が贈与者の子以外(孫、ひ孫等)のときは相続税の2割加算の対象となります。

 

【例外】
上記2の場合において、受贈者が次のいずれかに該当する場合は、相続税の課税対象外となります。
23歳未満である場合
・学校等に在学している場合
・教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

 

【例外の例外】
例外の条件に該当する場合であっても、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときは、その死亡の日における管理残高を贈与者から相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。


直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度

 
直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度とは、2015(平成27)年4月1日から2027(令和9)年3月31日までの間に、直系尊属(父母、祖父母等)が一定の要件を満たす受贈者に対して、結婚・子育て資金に充てるために金融機関等との一定の契約に基づき、金銭等を贈与した場合には、一定金額までの贈与税が非課税となる制度です。
 
受贈者の主な要件は、次のとおりです。
 

  • 18歳以上50歳未満であること
  • 前年の合計所得金額が1,000万円以下であること

 
結婚・子育て資金の主な範囲は、次のとおりです。
 

  • 結婚に際して支払う挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用、二次会費用
  • 結婚に際して支払う新居に係る家賃、敷金、共益費、礼金、仲介手数料、契約更新料等(入籍日の1年前後以内に締結した賃貸借契約に関するものに限ります。また、当該契約締結日から3年を経過する日までに支払われたものが対象となります)
  • 結婚に際して支払う転居するための引越し費用(入籍日の1年前後以内に行ったものに限ります)
  • 妊娠に要する不妊治療や妊婦健診に要する費用
  • 出産に要する分娩費、入院費、新生児管理保育料、検査料、薬剤料、出産後1年以内に支払われた産後ケアに要する費用
  • 育児に要する子の医療費、幼稚園・保育所・認定こども園・ベビーシッター業者等へ支払う入園料、保育料、施設設備費、入園試験の検定料、行事への参加や食事の提供等の費用

 
受贈者1人につき、1,000万円までの贈与税が非課税となります。
ただし、結婚に際して支払われる金銭については、300万円までとなります。
 
次の点は、この制度の大切なポイントです。
 

  1. 受贈者が50歳到達時点で残高がある場合一般税率による贈与税の課税対象となります。
  2. 受贈者が50歳到達前に贈与者が死亡し、残高がある場合、管理残高を贈与者から相続等により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。
  3. 受贈者が50歳到達前に死亡し、残高がある場合、管理残高は受贈者の相続財産となります。

直系尊属から一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の比較

 
直系尊属から一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度は、住宅取得等資金、教育資金、結婚・子育て資金それぞれの要件等が紛らわしいので、下表にまとめます。
 

 

住宅取得等資金

教育資金

結婚・子育て資金

贈与者

父母、祖父母等の直系尊属(年齢要件はなし

受贈者

18歳以上の子、孫等

30歳未満の子、孫等

18歳以上50歳未満の子、孫等

受贈者の所得制限

受贈年の合計所得金額が、2,000万円(要件により1,000万円)以下

受贈年の前年の合計所得金額が、1,000万円以下 受贈年の前年の合計所得金額が、1,000万円以下

限度額

1,000万円(要件により500万円)

1,500万円(要件により500万円) 1,000万円(要件により300万円)

贈与期限

2026(令和8)年12月31日まで

2026(令和8)年3月31日まで 2027(令和9)年3月31日まで

贈与税の申告

 
1月1日から12月31日までの1年間に贈与により取得した財産の価額の合計額が、基礎控除額110万円を超える場合には、受贈者の住所地を所轄する税務署長に贈与税の申告書を提出する必要があります。
 
なお、次の特例の適用を受ける場合には、納付税額が0円でも申告書を提出する必要があります。
 

 
贈与税申告書の提出期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までとなります。


申告内容が間違っていた場合等の手続き

 
申告内容が間違っていた場合等の手続きには、次のようなものがあります。

更正の請求

 
申告書を提出した後に、納付すべき税額が過大であるときは、更正の請求という手続きをしてその訂正を求めることができます。
贈与税の更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から6年以内です。
 
相続税所得税法人税の更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内なので混同しないように注意してください。

修正申告

 
申告書を提出した後に、税額を少なく申告していたことに気づいたときは、修正申告をして正しい税額に修正することができます。
修正申告によって新たに納付することになった税額は、修正申告書を提出する日(納期限)までに納めなければなりません。
この納付する税額には、法定納期限の翌日から完納する日までの期間について延滞税がかかりますので、併せて納付します。


贈与税の納付

 
贈与税は、申告書の提出期限までに、金銭一括納付が原則です。
ただし、一定の要件を満たせば、5年以内延納も認められます。

贈与税の延納

 
次の要件をすべて満たす場合には、5年以内の延納が認められます。
 

  • 贈与税額が10万円であること
  • 金銭で一括納付するのに困難な事由があること
  • 担保を提供すること(延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下であれば、担保は不要)
  • 延納申請書に担保提供関係書類を添付して、提出期限までに税務署長に提出すること

 
なお、延納が認められた税額に対しては、利子税が課せられます。

また、本来の納税義務者から贈与税を徴収できない場合には、次の人に連帯納付義務が課されます。
 

  • 財産の贈与者
  • 贈与税が課税された財産を贈与等により取得した人
  • 被相続人に係る贈与税については、その被相続人から相続または遺贈により財産を取得した人