金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律について
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(略称:金融サービス提供法)は、金融商品販売業者等が金融商品の販売等を行う際に、顧客に対して説明すべき重要事項を定めるとともに、金融サービス仲介業に関する登録制度を設け、その業務の健全かつ適切な運営を確保することを目的としています。
また、国民の安定的な資産形成および適切な資産管理を促進するための基本的事項を定めることにより、金融サービス利用者の保護および利用環境の整備を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする法律です。
金融商品の販売について
金融商品の販売とは、金融サービス提供法において、預金、保険、有価証券、デリバティブ取引などの金融商品について、契約の締結や取得の勧誘等を行うことをいいます。具体的には、次のような行為が該当します。
- 預金等の受入れを内容とする契約を、預金者、貯金者、定期積金の積金者または掛金の掛金者と締結すること
- 無尽に係る契約に基づく掛金の受入れを内容とする契約を、無尽掛金の掛金者と締結すること
- 信託財産の運用方法が特定されていない金銭信託に係る信託契約を、委託者と締結すること
- 保険契約または共済契約を、保険契約者その他これに類する者と締結すること
- 有価証券を取得させる行為
- 次に掲げる金融商品を取得させる行為
イ 金融商品取引法に掲げる権利
ロ 譲渡性預金証書によって表示される金銭債権
ハ 資金決済に関する法律に規定する暗号資産 - 不動産特定共同事業契約を締結すること
- 市場デリバティブ取引または外国市場デリバティブ取引を行い、またはその取次ぎを行うこと
- 店頭デリバティブ取引を行い、またはその取次ぎを行うこと
- 金利、通貨の価格その他の指標の数値に基づき、将来の一定時点における実際の数値との差によって算出される金銭の授受を約する取引を行い、またはその取次ぎを行うこと
ただし、次の取引は金融サービス提供法における「金融商品の販売」には該当しません。
- 金地金の販売
- ゴルフ会員権の販売
- レジャー会員権の販売
- 国内商品先物取引に関する販売
これらの取引は、それぞれ別の法律による規制の対象となるため、金融サービス提供法における金融商品の販売の範囲から除外されています。
金融商品販売業者等の説明義務について
重要事項の説明
金融商品販売業者等は、金融商品の販売等を業として行う場合、契約が成立するまでの間に、顧客に対して次の重要事項を説明しなければなりません。
- 市場の変動により元本欠損が生じるおそれがある場合
イ 元本欠損が生じる可能性がある旨
ロ その影響を与える指標(例:金利、通貨の価格、金融市場の相場など)
ハ 当該指標の変動により元本欠損が生じる仕組みのうち重要な部分 - 市場の変動により元本を超える損失が生じるおそれがある場合
イ 元本を超える損失が生じる可能性がある旨
ロ その影響を与える指標(例:金利、通貨の価格、金融市場の相場など)
ハ 当該指標の変動により元本を超える損失が生じる仕組みのうち重要な部分 - 金融商品販売業者等またはその他の関係者の業務もしくは財産の状況の変化により元本欠損が生じるおそれがある場合
イ 元本欠損が生じる可能性がある旨
ロ その影響を与える者
ハ 当該者の業務または財産の状況の変化により元本欠損が生じる仕組みのうち重要な部分 - 金融商品販売業者等またはその他の関係者の業務もしくは財産の状況の変化により元本を超える損失が生じるおそれがある場合
イ 元本を超える損失が生じる可能性がある旨
ロ その影響を与える者
ハ 当該者の業務または財産の状況の変化により元本を超える損失が生じる仕組みのうち重要な部分 - 政令で定める事由により元本欠損が生じるおそれがある場合
イ 元本欠損が生じる可能性がある旨
ロ 当該事由
ハ 当該事由により元本欠損が生じる仕組みのうち重要な部分 - 政令で定める事由により元本を超える損失が生じるおそれがある場合
イ 元本を超える損失が生じる可能性がある旨
ロ 当該事由
ハ 当該事由により元本を超える損失が生じる仕組みのうち重要な部分 - 権利行使期間または契約解除期間に制限がある場合は、その制限の内容
これらの重要事項の説明は、顧客の知識、経験および財産の状況ならびに金融商品の販売に係る契約を締結する目的に照らし、顧客が十分に理解できるよう、必要な方法および程度により行わなければなりません。
断定的判断の提供等の禁止
金融商品販売業者等は、金融商品の販売等を業として行う場合、契約が成立するまでの間において、顧客に対して次の行為を行ってはなりません。
- 金融商品の販売等に関する事項について、不確実な事項に関して断定的な判断を提供すること
- 不確実な事項について、確実であると顧客に誤認させるおそれのある説明を行うこと
これらの行為は、顧客の適切な投資判断を阻害し、不利益を与えるおそれがあるため、法律により禁止されています。
損害賠償責任
金融商品販売業者等は、次のいずれかに該当する場合、顧客に生じた損害について賠償する責任を負います。
- 顧客に対する重要事項の説明義務を怠った場合
- 断定的判断の提供等の禁止規定に違反した場合
これらの違反行為によって顧客に損害が生じたときは、金融商品販売業者等はその損害を賠償しなければなりません。
また、顧客が損害賠償を請求する場合には、元本の欠損額については、金融商品販売業者等の説明義務違反または断定的判断の提供等によって生じた損害額と推定されます。
金融商品の販売等に係る勧誘
金融商品販売業者等は、業として金融商品の販売等に係る勧誘を行うに当たり、その適正の確保に努めなければなりません。
また、勧誘を行う際には、あらかじめ勧誘方針を定める必要があります。勧誘方針には、次の事項を定めなければなりません。
- 勧誘の対象となる者の知識、経験および財産の状況ならびに契約締結の目的に照らし、配慮すべき事項
- 勧誘の対象となる者に対する勧誘の方法および時間帯に関して配慮すべき事項
- 勧誘の適正な実施を確保するための基本方針
さらに、勧誘方針を定めたとき、またはその内容を変更したときは、速やかに公表しなければなりません。
金融サービス仲介業について
金融サービス仲介業制度は、銀行、証券会社、保険会社など複数の業態にまたがる商品やサービスを一つの窓口で取り扱うことを可能にする制度です。
金融サービス仲介業とは、次のいずれかの業務を業として行うことをいいます。
- 預金等媒介業務
- 保険媒介業務
- 有価証券等仲介業務
- 貸金業貸付媒介業務
ただし、これらの業務のうち、顧客に対して高度に専門的な説明を要するものについては、金融サービス仲介業の対象から除外されています。
金融サービス仲介業を営むためには、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。登録を受けていない者は、金融サービス仲介業を営むことができません。
保証金
金融サービス仲介業者は、業務を開始するに当たり、主たる営業所または事務所の最寄りの供託所に保証金を供託しなければなりません。
保証金の額は、事業開始の日から最初の事業年度終了後3か月を経過する日までの間は1,000万円です。
また、それ以降の各事業年度(最初の事業年度を除きます)については、事業年度開始の日から3か月を経過した日から当該事業年度終了後3か月を経過する日までの間、1,000万円に前事業年度の年間受領手数料の5%に相当する額を加算した金額を供託しなければなりません。
なお、保証金として供託する財産は金銭に限られません。国債証券、地方債証券その他内閣府令で定める有価証券をもって充てることが認められています。